僕「昨日は高校のゼミの日で、いろんなことがあったなぁ。」
もうひとりの僕「へぇ。」
僕「授業中寝たいわけじゃないんだけど、眠気を感じてしまうからその原因を探りたいっていうテーマがあるのさ。本人たちはとても真面目で、一生懸命調べ物をしているんだけど煮え切らない感じだったんだよね。」
もうひとりの僕「うんうん。」
僕「『いまどんな感じで悩んでる?』って聞いてみたらさ、『何をすればいいか行き詰まってる』って言ってたの。少し話を聞いてみると、調べることにある程度限界が来ていて、ただ自分たちでは調べる以外に何をすればいいかわからないっていう雰囲気だったんだよね。それで最近ずっとぐるぐるしてる。」
もうひとりの僕「うん。」
僕「『ちょっと整理してみようか』って言ってさ、黒板でやってみたいことだったり、気になっていること、テーマに着手したきっかけとか聞いてみたのよ。それをただ順番に追って質問をしてみたの。」
もうひとりの僕「そしたら?」
僕「実はちょっと取り組みたいことがあったみたいでね。”スマホのブルーライトが睡眠の質を悪くする”っていうネットで調べた情報が、本当なのかイマイチ判断がつかないって。まぁ、調べている出典などを聞いていないから判断できないけど、とにかく本人たちにとってはそれが本当なのかが気になるらしい。」
もうひとりの僕「うん。」
僕「僕なんかは『そうなのか。じゃあスマホを寝る前にいじるのはやめてみるか』で終わってしまうんだけど、『本当かよ』って思うのは、すごくいい視点だよね。」
もうひとりの僕「うんうん。」
僕「『それ調べてみたいの?』って聞いたら、そうだって言うから『やることハッキリしてるじゃん!笑』って返したらさ、『まとめてもらってわかった』ってスッキリした顔して言うんだよね。曇ってた顔が晴れて行くのがよくわかるんだよ。」
もうひとりの僕「なるほど。」
僕「助言みたいなのを一切してないかというとそうではないんだけど、基本的には聞いたことをただまとめただけだったからさ、”そうか。高校生には外からの視点が必要な場合もあるんだな”って思ったのよ。」
もうひとりの僕「そうか。うんうん。」
僕「本人たちはおそらく気づいていないん気がするんだけど、約半年間テーマに向き合って考えが変化していててさ。そうした変化の積み重ねを聞き取って示すっていうことは当事者にはなかなかできないよね。”あっ、そうか”っていう気づく機会になれたなら嬉しいけど。」
もうひとりの僕「それは嬉しいね。」
僕「そんなことを色々な高校生にやったら面白いなと思った。」
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