僕「昨日さ、児童養護施設の人と話す機会があったんだ。視界に入っていないだけで色々な境遇の人がいるんだなって思った。」
もうひとりの僕「そうなのか。職員ってどんなことしてるの?」
僕「子どもたちが過ごす施設を家庭に近づけられるように、家事とか旅行の企画をしたりとか送迎したり色々だって言ってたなぁ。」
もうひとりの僕「なるほど。」
僕「施設と言っても、寮みたいな場所ではなくて、一軒家に何人かで住んでいたりして、時代とともに形が変わっていったみたいだよ。」
もうひとりの僕「そうか。職員は親みたいな役割をしているのかもしれないね。」
僕「そう言ってたと思う。家庭が持てなかった役割を自分たちが果たすんだって。すごく柔らかい口調で、丁寧に話をする人だった。なんだか、施設での関わりが想像できるような、素敵な人だった。」
もうひとりの僕「いいね。」
僕「職員には児童相談員、児童指導員、保育士、カウンセラー、里親支援員とか色んな立場の人がいて、その数は施設の子どもよりも数が多いっていうことも言っていたな。」
もうひとりの僕「家庭の役割って、それだけ複雑なのかもしれないな。親の姿を思い返してみると、自分たちは家で過ごしていただけだったけれど、色々な配慮があった気がする。教育的な部分やケア的な部分だったり、他にも本人の意思を尊重する場面だったり。」
僕「そうだね。いまになってそんなことがわかるようになってきたよ。職員の人と話していたらね、使命感に突き動かされているような印象を感じたんだ。」
もうひとりの僕「使命感?」
僕「うん。自分たちが家庭の役割を担い、世に出るまでの環境をつくらなくてはいけないっていう感じかな。大学時代にボランティア先で児童養護施設の子どもたちと出会って、職員になったんだって。」
もうひとりの僕「そうか。自分が向き合うべきものが見えているのかもしれないね。君も頑張りたまえ。」
僕「僕はどうかなぁ...。」
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