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執筆者の写真t.yagihashi

泡沫メモリー・天邪鬼な記憶

僕「不思議なことに、最近いろんなことが記憶できなくなってきた。」


もうひとりの僕「おや、年齢による問題ってわけではないだろうし...。認知機能の低下とか?」


僕「僕もまずそれを疑ったんだ。一時期はそれっぽい感じだったんだけど、感覚的には違う気がする。認知機能が低下している時の、頭にモヤがかかっている状態ではないんだよね。」


もうひとりの僕「なるほど。そもそも全ての情報を記憶するのはできないと言うよね。」


僕「うん。ただ、日常生活には支障をきたさないものの、仕事には結構影響出てるんだよなぁ。」


もうひとりの僕「扱う情報量が僕らのキャパシティを超えているってことはないかい?」


僕「それはあるのかもしれない。なので最近、よくメモや議事録みたいなのをとるようになった。」


もうひとりの僕「記憶の外化か。それはいいアイディアだ。」


僕「書いておかないと流れるように、記憶が消えていってしまうからね。不思議と文字にしておくと、意外と忘れなかったりもする。天邪鬼だよね、記憶って。」


もうひとりの僕「メモをとるっていうのは、記憶に旗を立てるような役割をしているのかもしれないな。『このことは忘れないように』って。」


僕「確かに。思いつきのアイディアとかもそれで消えていかなくなるんだよね。不思議。」


もうひとりの僕「ひょっとしたら単に打ち合わせとかの時に集中していないだけなんじゃないか?」


僕「えっ....。」


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