七ヶ月弱、おそらく日本でも屈指の田舎の島に住んでいた。
虫や鷹の声、風の冷たさやたくさんの音に包まれた生活だった。
思っていた以上にあの場所に身体が馴染んでいたんだなと、
帰ってきて、島のカケラのようなものを感じる。
島ではとにかく人が少なかったので、
移動や行動が他人に左右されることはないし、
島の雰囲気もあってゆるりと過ごす毎日だった。
久々に東京に出てみると、人が多いのはもちろんだが、
他人の歩くペースに合わせないと邪魔になってしまうので、
自然と、しかし意識的に周りと協調した振る舞いをもとめられる。
僕にはそれが悪意として感じられる。
また、一度電車に乗るとこれもまた邪魔にならないように過ごさなくちゃならない。
特に目を向ければそこには本や美容の広告が間髪なく声をあげていて、
自分の時間を許してくれない。
端的に言うと”刺激”があまりにも強いんだ。 音。光。香り。群衆。 やまない雨のように、纏わりつくように降り続ける。
何かを求め続けられる場所、 それが東京なのかもしれない。
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