僕「最近、掃除にハマってるんだ。」
もうひとりの僕「うん(またか)。」
僕「掃除をしているとさ、掃除だけするのよ。料理とかしながら掃除するとかじゃなくて、本当掃除だけ。まぁ、音楽は流しているけど。」
もうひとりの僕「うん。」
僕「ぼーっとするわけでもないんだけど、他のことはあまり考えなくなる。特に床の拭き掃除とかすごくいいんだよね。必死に、1つのことに取り組んでいるとさ、余計なこと考えなくて済む。掃除をしている最中に思いつくこととか、何かに気づいたりはある気がするけど。」
もうひとりの僕「うん。」
僕「僕らはさ、同時に色々とこなすことを好みがちじゃない。特に最近、釜石に来てから。」
もうひとりの僕「うん。」
僕「それはきっとコーディネーターとして自分で仕事を見つけたり、仕事を作ったり、あまり定められていない仕事に就いて、仕事が雪だるま式に増えていったときに、効率的に過ごさなくちゃ自分が生きていけなかったからだと思うんだ。」
もうひとりの僕「うん、うん。」
僕「効率性なんて、1番嫌いな言葉だったし、そうはなれないと思っていたのに、効率性を求める自分がいまはいる。人って変わるもんだね。大学のゼミ生が見たらきっとびっくりするよ。」
もうひとりの僕「うん。そうだね。」
僕「食事もさ、トレーニングを初めてからお腹を満たすことと、栄養を摂取することに完全に置き換わったと思う。お店でご飯を選ぶ時も脂質が少ないものを選んで注文するじゃない。そんなのいままでなかったことさ(笑)。」
もうひとりの僕「そうだね。」
僕「考え方もさ、1つの仮説に基づいて情報を集める最短距離を求めるようになったよね。いままでは意思決定にとても時間がかかった、というか意思決定をすることができなかった。でも、今じゃ何かを決めるなんて一瞬で、次には実現に向けたプランを考え始めていたりする。これはすごいことだよ。大学生の自分に伝えたら、大喜びするはずだ。『かっこいい!できる人みたい』って。」
もうひとりの僕「そうかもしれないね。」
僕「でもね、それによって切り捨ててしまったものや溢れてしまったものも多いんじゃないかと感じる。人への配慮とか、コミュニケーションを取ることとか。とにかく人に関わることだ。」
もうひとりの僕「そっか。」
僕「言葉の彩りを感じたり、時間を味わったり、自分の手触り感だったり。人と自分の感情に関わることだ。」
もうひとりの僕「うん。」
僕「きっとさ、いつも何かに追われているんだろうな。言いようのない何かに。」
もうひとりの僕「うん。」
僕「掃除をしているとさ、それがないんだ。1つのことに、目の前のそのものに向き合える。それが自分にとっては”丁寧さ”っていう言葉とぴったりくっついているんだ。」
もうひとりの僕「そうだね。」
僕「この前、掃除をした後に、ご飯を炊いて塩おむすびを食べたらうまかった。ほんとにほんとにうまかった。思わず笑っちゃったよ。すごい久しぶりに、本当に心から笑った。」
もうひとりの僕「うん。うん。」
僕「とにかく、僕にとっては掃除は自分を回復するための”何か”なんだと思うな。」
もうひとりの僕「そうだね。」
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