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  • 執筆者の写真t.yagihashi

シャーペンの芯がその生涯を終えたけど、いろんなところに部分は残っているとも考えられるかも

僕「おはよう。」


もうひとりの僕「おはよう。」


僕「いま、自分にとって難しいなあと思う本を読んでるの。『オープンダイアローグとは何か』ってやつ。」


もうひとりの僕「へぇ。」


僕「横文字やら漢字やら初めて知る言葉が多くってさ。辞書とかネットを使いながら調べて読んでるんだけど結構楽しいね。」


もうひとりの僕「そっかそっか。」


僕「本に直接メモ書きを書くんだけどさ、シャーペンってすごく面白い気がするんだ。」


もうひとりの僕「そうなんだ。」


僕「元々は一本のシャー芯だったやつがさ、紙に文字として乗り移るんだよ?これは面白い。」


もうひとりの僕「なるほどなるほど(?)。」


僕「今まで紙の上には何もなかったのに、黒い線でさ、文字やら絵やらが現れるんだ。しかもシャー芯は確実に減っていく。少しずつだけどね。」


もうひとりの僕「そうだね。」


僕「途中で折れてしまったりすることもあるけど、長かったシャー芯が、元々は10cmくらいあるのかな、最後にはなくなってしまうじゃない。でも、書かれた先の紙にはその破片が文字や記号、絵として残っている。これって面白いと思わないか。」


もうひとりの僕「確かにそうだね。」


僕「でも、消しゴムで消された文字はどこにいってしまうんだろう。元々はシャー芯っていう全体だったものが、文字という部分に変わったのに、それが消されてしまうんだよね。それって少しかわいそうだ。消しかすになって、この子はシャー芯の一部だなとも認識されずにおそらくゴミ箱やらなんやらに投げ捨てられちゃう。」


もうひとりの僕「確かに言われてみればそうだね。」


僕「シャー芯もさ、初めは10cmくらいあったものが使う度に少しずつ、少しずつ減っていって。いずれは消えてしまうんだね。全体が何かの一部になるっていう、なんかこの感覚みたいなのがとても面白くって。」


もうひとりの僕「そっかそっか。確かに面白いかもしれない。」



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