僕「昨日文章を書くときにどのくらい時間がかかるか試しに測ってみたんだ。」
もうひとりの僕「あまり時間を測るべきことではないと思うけど、一応聞いておくよ。どのくらいだった?」
僕「44分18秒だった。」
もうひとりの僕「長いようで短い、短いようで長い時間だね。」
僕「うん。ところで時間を測るべきことではないっていうのは?」
もうひとりの僕「あぁ、それか。こなす為にやっているというよりか、自分と向き合うために時間を作っているわけだから、時間は関係ないのではないかと思って。」
僕「確かに。タスクとしてこなすようになるのであれば、やる必要はないなとは思う。」
もうひとりの僕「そのタスクって言葉があまり好きじゃないんだ。」
僕「流れ作業のように消化していくようなイメージだから?」
もうひとりの僕「そう。『3人のレンガ職人』っていうイソップ寓話があるんだけど、知ってる?」
僕「1人目は”『仕方ないからレンガを積んでいる』、2人目は『感謝しながらレンガを積んでいる』、3人目は『神への奉仕として、喜びを感じながらレンガを積んでいる』っていう視点の違いの話だよね?」
もうひとりの僕「そうそう。結果的に3人目は大工として名を馳せるらしいんだけど、それは結果論に過ぎないよね。対象との向き合い方がその人を支えているというのが個人的には興味深い。」
僕「どういうこと...?」
もうひとりの僕「その人の在り方が、対象への関わり方にも関係しているってことかな。2人目の職人は家族を支えるために高給なレンガ職人という仕事に感謝をしていたらしい。その後は、高給ではあるものの危険を伴う高所で仕事をしていたんだってさ。」
僕「なるほど。」
もうひとりの僕「話は戻るけど、僕らがこの文章を書くのもどう捉えるかによって随分と形を変えると思うんだよね。」
僕「そうだなぁ。自分と向き合うとか、アイディアを受け取る時間かもしれないな。」
もうひとりの僕「僕にとっては、座禅を組んだり、絵を描いたり、音楽を聴いたり、耳を澄ませること似ているな。」
僕「へぇ、僕らにとっても意味合いが違うのか。」
もうひとりの僕「(まぁ、かなり近い気がするけど)そうかもね。そうこうしているうちにまた1時間くらい経ったな。」
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